9月21日は「自然ガイドと登る山」で富士山のお中道を歩いていただきました。
当日は朝から大快晴となり、コース途中から展望できる山岳も西は光岳方面から東は丹沢付近まですっきりと見渡すことができました。
特に聖岳や赤石岳、荒川三山から間ノ岳、北岳、甲斐駒ヶ岳に至る南アルプスの3000m峰が一同に連なる様は圧巻です。
また普段は見上げるか、ほぼ真横に眺めることが多い寄生火山群も、上から見下ろすとその位置や噴火の痕跡が手に取るようにわかるのが興味深いところ。
反対方向を眺めれば富士山頂までの仰角が小さく、あっという間に駆け上れそうにも見えますが、その細かく砕けた溶岩礫の斜面は歩くとこさえ困難であることは誰の目にも明らかです。
快晴故下界の気温はかなり上昇したに違いありませんが、さすがに富士山お中道。標高2300mでは吹く風がちょうどいい体感気温をキープしてくれていました。
ダケカンバの木陰には花殻の目立つシャクナゲが密生し、林床には赤い実をちりばめたコケモモの絨毯が広がって、思いがけず富士山の以外な豊かさを教えられました。
途中からはシラビソの生い茂る深い原生林へと道は続き、まるで北八ッの森にいるかのような錯覚に陥ります。
苔むした林床には秋の妖精達もあちこちに顔を出し、キノコ好きな参加者の方達の目を楽しませてくれたことでしょう。
アップダウンが少ないとはいえ変化に富んだ往復9キロの道は手応え十分。大沢崩れまでは途中の崩壊箇所が危険なので行かれませんでしたが、早くも色付き始めたオンタデの草紅葉を愛でながらのお中道ハイキング、一同富士山の新たな魅力に触れた一日となりました。
明るく開けた溶岩礫のトレイル。
カラマツの実がぎっしりと付いた樹が目立ちました。ただその樹形は矮小化し、吹き流された枝振りから気象条件の厳しさを物語ってくれます。
最終到達点の滑沢にて。後ろには深い亀裂があり、通行を妨げています。
オンタデの草紅葉が見頃でした。紫色を帯びた砂礫とのコントラストがきれいです。
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