清里ネイチャーガイドクラブの成田です。
本日は4月4日に行った北杜市の古峰、笠無山・雨竜山のトレッキングについて報告いたします。
天気予報は午後から雨の予報で、7:30早目の出立になりました。
同行者は本年度ガイドクラブの山行企画の初回に応募していただきました小川夫妻とガイドクラブ会員の新メンバー川崎さん、私を含めて4名です。
山梨県の山岳観光を標ぼうしてきたクリスタルラインの出発点、清里地区旧村の東原のゲートから出発です。
舗装道を歩き展望台から、いよいよ山道です。
笠無山の東峰から下りてくる枝分かれした尾根を登り、カラマツの造林地を左手に標高を上げるにつれ岩峰が露わになって来ます。
10:00前に笠無山到着。標高1476M.。ミズナラ、コナラ、クリの新芽が開葉目前です。見下ろす東原の集落はコブシ、アブラチャン、ハナモモなど春たけなわの色彩に溢れているのに比べ、山は数日の時を欲し、もう一度来ることを望んでいるようです。
ひと休憩後、20分ほど後戻りして、東へ伸びる尾根を進み、比志のトヤへと向かいます。
山道は巨岩と岩峰の続く箇所にさしかかり、マリシテンを記す小さな奇岩を横目に進む。
岩峰を終え、再び丸山の坂道を上り終えると、目前の雑木の高所にヤドリギのパレードです。
比志のトヤは漢字で比志の鳥屋で、鳥屋とは渡り鳥を捕まえるためにカスミ網を張り、数日泊まり込んで生活した小屋のことです。
ヤドリギの多いことは推測するに十分な証拠です。歴史好きの私には空想の宝です。
同行の方々は私の得意げな解説をどのように聞かれたでしょうか。
不意に小雨の気配を感じ、曇天にかすむ笠無に別れて、南の方角に尾根を下ります。
地図の示すどおり、長い舌をのばす等高線は緩やかで足取りを早めます。
12:00頃、標高1000Mで無秩序な山々を上下に線引きをするかのように須玉町比志まで続く海岸寺線に到着し、昼食にしました。
12:30には次の雨竜山へ向けて出発です。
私には雨竜山は3度目で、初回の時は雑木林の急登に喘いだ記憶が蘇ります。
今回は全く風景が異なりました。稜線を境に高根側の北面が皆伐されています。
同行の方から、いつ植林されるかと質問されました。
私は、ほどなくでしょうか、と答えましたが、風景を変えてしまうほどの巨大開発に対して元通りにする時間にどれくらい要するのか、言葉を失う気持になりました。
雨竜山は今では里人にも忘れられた古い山です。
展望は貧しく、それでも木立の向こうには、金ケ岳・曲岳・枡形山への山線がうかんで見えます。
私たちの山行も上津金へ派生する、やや急坂な尾根道を下って14:00終了しました。
記:成田
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